糖尿病は、血液の糖の濃度が上がってしまう病気です。糖の濃度(血糖値)が高いまま放っておくと、体中の血管に障害が起こります。目の障害(糖尿病性網膜症)、腎臓の障害(糖尿病性腎症)は特に恐ろしい血管の合併症で、それぞれ失明、透析導入の最も多い原因になっています。また、大事な生命を奪ってしまう、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞の発症率も非常に高いことが知られています。糖尿病は、早期に正しく治療することが重要です。
当院の治療方針は、食事療法や運動療法などの一般療法が基本になりますが、十分に効果が得られない場合には、患者さんに最も適したお薬(内服薬、インスリン、インクレチン製剤)による最新の治療を行います。院内でHbA1cの測定もしていますので、タイムリーな治療が可能です。
当院には、糖尿病の治療で定評のある、順天堂大学・糖尿病代謝内分泌内科の准教授、酒井医師の専門外来(火曜日午後)も行っております。糖尿病がご心配な方は、ぜひ一度ご相談下さい。
この4つのどれかが当てはまる場合に糖尿病と診断されます。
古くから糖尿病には三大合併症(網膜症・神経症・腎症)の存在が知られています。この中で糖尿病網膜症は失明の原因の中で一番多く、糖尿病腎症は透析を必要とする慢性腎不全の原因の中で最も多い疾患です。どちらを防ぐのにも早期からの血糖値の是正が重要です。また、すでに合併症が出始めている方には、その進行を遅らせるためにも血糖値のコントロールは重要です。また、血糖値の上昇は動脈硬化を来たし、心臓疾患や脳卒中の発症を増加させるだけでなく、免疫機能を落とすことも知られています。痛くないからといって、放置してはいけません。
HBA1cの値を目標にします。正常値の範囲(5.8%)まで改善することが理想ですが、まずは6.5%以下を目標にします。達成可能な目標を立てることによって、無理なく糖尿病とお付き合いしていくことが重要です。